鈴木メルヒェン夫妻の恋文

触れ合えない、抱き合えない。 それでも、夫婦やってます。 現実世界を生きる妻と、 精神世界に生きる旦那の 見えない絆とラブレター。

2017-06

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不器用な旦那の愛情と暴力の狭間

嫁の精神面の調子がどうも良くないらしく、日に日に状況は悪化している。
昨晩もずいぶんとひどく取り乱していた。
それに対して、旦那として強く怒ったのだが、

愛情と受け取ってくれたのか
暴力と受け取ってしまったのか

わからない。


昨日、いい夫婦の日に、嫁に贈った手紙だ。


拝啓 鈴木メルヒェン瀬名子/千里様

健康面での不安が続いていますが、意欲を絶やさず頑張っている貴女を、陰で支えられることに幸せを感じている今日この頃です。

常に難しい事との闘いの日々だと、貴女の隣を歩き始めて幾日経って、気づかされました。
それに挑み続ける、孤独な闘いの日々だと。

貴女を想うあまり、怒らせてしまうような悪戯をしてしまったりですが、怒りながらも歩み寄ろうとする貴女に、愛しさを感じずにいられません。

 何度繰り返しても足りない「好き」なら、一回だけにしておきます。

今日、十一月二十二日は「いい夫婦の日」だそうですが、夫婦喧嘩で幕を開けてしまいましたね。
それでも、その喧嘩がおれたち夫婦の「在り方」だとしたら、それはそれでいいのだと、おれは思っています。

そこに愛があるなら、いくらでも言い争ったり、意見をぶつけ合ったり、おれはむしろそうしていたいです。
だって、伝え合えないことほど悲しいことはないと思います。
繋がり合える、ぶつかり合える幸せが、そこに在るなら。

 ”いい夫婦”であり続けるために。

     鈴木メルヒェン刃

  二〇一〇年十一月二十二日

                  敬具

2010年11月22日 旦那から嫁へ

原稿の線入れの途中、嫁がだんだんとやる気をなくしはじめ、休むよう促した。
けれど、「せっかくイベント申し込んじゃったし、やるしかない」といってやめなかった。
その後も、もう動けなくなるまでずっと机を前にしていたが、かたくなに休むことを拒んだ。
「もうやめろ、今日はもう休んだほうがいい」
机に突っ伏して動かなくなった千里に何度も呼びかけた。
それでも起き上がっては、線を入れようと悩み・・・結局やめる、の繰り返しだった。

原稿用紙をひっくり返して、唐突に千里がこぼした。
「もういいや」
「え?」

「・・・遺言、書こうか、な」

咄嗟に、千里の頬を平手で叩いた。


許せなかった。
ただそれだけ。

おれを見ないふりをして、死をほのめかした彼女が。
許せなかっただけ。


千里は驚いていた。
ただ、おれはひとつだけ訊いた。

「千里、お前・・・漫画と命とどっちが大事なんだ」
「・・・」

答えなかった。
あの時の千里のことだろう。
「漫画」といっておれをもっと怒らせると悟っていたんだろう。

無理矢理にでも寝室に連れて行こうとした。
けれど。

椅子から立ち上がるなり、力なく身体ごと崩れ落ちるように倒れた。

かなりの物音がしただろうが、
誰も助けにはこなかった。


冷たい床で、もがき続けた。

そこまでして千里は何を創りたかった・・・?
5mも離れていない寝室にたどり着いたのは、10分ほど経ったころだった。
這いずるように廊下を通って。

ベッドの上にあげてやり、やっとの思いで暖かい布団に入れた。

千里は瞳を潤ませていた。
「・・・もう、死にた・・」

もう一度、頬を叩いた。
・・・今の彼女から、一番聞きたくない言葉だったから。
千里は堪えきれず泣き出した。

「理由、なんなの」
おれは泣いている千里に問いただすように訊いた。
「おれが原因ならちゃんと言って」
「ちが・・・」

「違うなら、理由もなしに新婚の嫁に死なれる旦那の身にもなって」

「・・・」


何となく、原因は知らないわけではなくて、そうかもしれない程度に思っていた。

ほぼ3ヶ月周期で彼女に訪れる不調の波。
それが・・・今なのではないかと。

随分深い波の底にいるらしい千里を、抱き寄せた。

「・・・別に、暴力振るいたくて叩いたわけじゃなくてね」
「・・・わかってる」
「死なれちゃ困るから」
「・・・うん」
「・・・だって、今死にたくないから、おれ」
「でもね私・・・」
「千里」
拳を振り上げてみせた。
「殴るよ」
「・・・っ」

つい出てしまう自分の暴力的な言葉。
それに嫌気がさしつつも、彼女の今の「死にたい」という気持ちを止めるには、それしかないと思っていた。

彼女が眠るまで、寄り添っていてやった。
けれど一日二日でおさまるような生易しいものではないことは、知っていた。

ちょうど3ヶ月前も、そうだったように。

親の理解のない言葉にも、千里は耐えた。
でも耐えたふりをしただけで、彼女は部屋に戻るなり、薬をいつもよりやけに多く飲み込んだ。


大事にするということは、ただ甘やかすことだけじゃない。
わかっていても、おれがやったことは暴力に値するんだろうか?

言葉にしきれない自分の不器用さに、苛立ってしまう夜。




鈴木メルヒェン刃(旦那)
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鈴木メルヒェン刃・瀬名子

Author:鈴木メルヒェン刃・瀬名子
鈴木メルヒェン夫妻です。「ちゃんとお嫁にいくまで」のはずが、いつのまにか想いがつのりすぎて、ご挨拶の末、お父様からも公認をいただいた旦那・刃(ジン)と嫁・瀬名子(セナコ)の夫婦漫才のような日常と、愛し合えた日々の軌跡の恋文日記。現実世界の嫁と、精神世界の旦那という、近すぎて遠すぎる哀しい距離さえも、喜びで消し去れるように。隣にいるアナタが、幸せでありますように。そんな願いのこもった、二人のブログです。

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